フォトフェイシャル

フォトフェイシャルとは

フォトフェイシャルとは、「IPL」とよばれるさまざまな種類の光を含む光エネルギーを照射し、シミ、そばかす、くすみ、赤ら顔などお肌のお悩みを改善する美肌治療です。
フォトフェイシャルのキセノンフラッシュランプから照射される光は、シミやくすみの原因となるメラニン色素や、毛細血管内のヘモグロビンにのみ反応します。
ターゲットに直接アプローチするので、肌表面やほかの組織を傷つけることがありません。
照射した熱によって肌の弾力に欠かせないコラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞を刺激するため、内側からハリのある肌に導きます。
痛みやダウンタイムがほとんどないため、美容医療が初めての方でも受けやすい施術です。
光治療をフォトフェイシャルと謳っているクリニックがありますが、フォトフェイシャルとはルミナス社から販売されている機器のみでできる施術名です。
当院ではルミナス社の「ステラM22」を導入しています。

フォトフェイシャルの効果

シミ・そばかす

加齢や紫外線によってできたシミ、そばかすを改善します。
フォトフェイシャルの光はメラニン色素に作用するので、メラニンを分解してターンオーバーによって肌表面まで浮かばせて排出させます。
シミやそばかすの大きさ、濃さによっては複数回の治療が必要になりますが、回数を重ねるごとに本来の肌の状態に戻していきます。
施術後は一時的に濃くなりかさぶたになることがありますが、自然と剥がれます。
無理に剥がしてしまうとさらに濃くなってしまう可能性があるので、保湿ケアをしっかりして刺激を与えないようにしましょう。

毛穴開き

目立ちやすい毛穴の開きは、フォトフェイシャルのコラーゲン、エラスチンの増産効果で目立たなくさせることができます。
フォトフェイシャルの熱がコラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞を刺激し、内側から弾力とハリのある肌にします。
ふっくらした肌は毛穴を引き締めてキメの整った肌にするため、顔全体の印象も変わります。

赤ら顔（酒さ）

赤ら顔（酒さ）は何らかの原因で血管が拡張して皮膚の表面から血管が透けて見える状態で、「毛細血管拡張症」ともよばれています。
フォトフェイシャルはヘモグロビンの赤色に反応するので、毛細血管にダメージを与えて血管を収縮させ、赤ら顔を改善します。
部分的に浮き出ている毛細血管の治療も可能です。
症状によっては複数回の治療が必要になりますが、皮膚やほかの組織にダメージを与えることなく施術が受けられます。

顔全体のトーンアップ

フォトフェイシャルはシミや毛穴開きなどピンポイントでのお悩みにも効果的ですが、顔全体をトーンアップしてくすみを改善する効果もあります。
くすみの原因は、ターンオーバーの乱れによって古い角質が肌表面に残ってしまうことと、メラニンが排出されないことです。
フォトフェイシャルはメラニン色素に作用するため、くすみの原因となるメラニンを分解し、徐々に浮き上がらせて排出されます。
ターンオーバーが正常化されるとメラニンが排出されやすくなり、古い角質がたまらなくなるため、肌がトーンアップして透明感のある肌へ導きます。
顔全体をエイジングケアしたい方におすすめです。

フォトフェイシャルの特徴

さまざまな波長を含むIPLで総合治療

フォトフェイシャルのIPL（Intense Pulsed Light）は、さまざまな波長の光が含まれています。
熱を照射する治療として光治療のほかにレーザー治療がありますが、レーザーは単一波長です。波長の長さはnm（ナノメートル）と表します。
例えばシミには694nmのQスイッチルビーレーザー、血管腫には595nmのダイレーザーVビームというように、お悩みに合わせてレーザーを変えて治療します。
単一レーザーなので気になるお悩みにピンポイントでアプローチできるのがレーザーの特徴です。
フォトフェイシャルのIPLはさまざまな種類の光が含まれているので、お肌のお悩みに総合的にアプローチできます。

治療が難しい薄いシミやそばかすにも対応

シミやそばかすの治療には光やレーザー照射が効果的ですが、薄いシミやそばかすに適した機器は少ないです。
薄いシミやそばかすは皮膚の表面に近い部分にあるため、短い波長で照射しないとかえって濃くなるリスクがあります。
フォトフェイシャルは、短い波長を照射できるフィルターがあるため、薄いシミやそばかすも対応可能です。
しかし肝斑の治療にフォトフェイシャルは向きません。肝斑は薄いシミと間違われることがありますが、女性ホルモンの影響によってできるシミなため、光の刺激によって濃くなるケースがあります。
肝斑と混在しているシミの治療ができますが、肝斑は内服薬と併用して治療することを推奨します。

お悩みに合わせたオーダーメイド治療

ステラM22は6種類の波長フィルターを使い分けることで、お悩みに合わせた治療が可能です。
ステラM22の前のモデルM22は5種類のフィルターでしたが、ステラM22では新たに515㎚のフィルターが加わり薄いシミやそばかすのケアができるようになりました。

フィルターの種類
・515㎚･･･薄いシミ・そばかす
・560㎚･･･シミ・そばかす・赤み
・590㎚･･･血管拡張・赤ら顔（酒さ）
・615㎚･･･血管拡張・赤ら顔（酒さ）
・640㎚･･･濃いシミ・肝斑と混在しているシミ
・695㎚･･･深い層にあるシミ・肝斑と混在しているシミ・毛穴・ハリ

さらに症状に合わせて照射サイズを変えられるので、顔全体から目元、口元など細かい部位までケアできます。
フィルター、波長、照射パワー、照射スポットの形状をお悩みに合わせてカスタマイズすることで、一人一人に合った施術が行えます。
お悩みの部位に的確に照射することで、フォトフェイシャルの効果を最大限に発揮し、リスクは最小限に抑えた施術が可能です。

冷却機能搭載で痛みを軽減

ステラM22の照射面はサファイヤガラスでできており、コンタクトクーリングで肌を冷却しながら照射します。
光治療は熱を照射するため多少の痛みを感じやすいですが、肌表面を冷やすことで痛みを緩和しながらの施術が可能です。
ヤケドや肌荒れなどのリスクを回避した安全な治療が受けられるため、肌への負担を減らしながら高い効果が期待できます。
光治療やレーザー治療では、肌を保護するためにジェルを塗布しますが、フォトフェイシャルは従来よりも薄く塗布することができるので、拭き取りや洗顔も手軽にできます。

フォトフェイシャルとほかの施術との違い

Qスイッチレーザー

シミの治療で用いられることが多い「Qスイッチレーザー」は単一のレーザーです。
気になるシミに集中的に照射できるため、濃いシミや深いシミを一度の施術でも薄くすることができます。
その半面、レーザー照射時には痛みを伴い、ダウンタイムもあります。
濃くて気になる1点のシミを治療したい方にはQスイッチレーザー、複数あるシミを薄くしたい方にはフォトフェイシャルが向いています。

ピコトーニング

シミ治療や顔全体のトーンアップに「ピコトーニング」がありますが、こちらもレーザーです。
ピコトーニングはピコレーザーで行う施術で、3種類ある照射モードの一つです。
シミやそばかす、肝斑の治療に用いられることが多く、メラニン色素にピンポイントで作用します。
そのため、シミや肝斑などを集中的に治療して根治したい方にはピコレーザーが向いています。
フォトフェイシャルと違い肝斑のみの治療も行えるため、肝斑を薄くしたい方はピコトーニングを選択した方がいいでしょう。
フォトフェイシャルはレーザーよりも低出力で照射するため効果がマイルドなので、顔全体をケアしたい方に向いています。

フォトRF

「フォトRF」はフォトフェイシャルと同じくIPLの光を使った施術です。
IPLにRF（Radio Frequency）とよばれる高周波が加わり、光治療と高周波治療が受けられます。
フォトフェイシャルは比較的皮膚の浅い層にアプローチできる機器ですが、フォトRFは、高周波が真皮層の深い層までアプローチできます。
シミやそばかすをケアしながら、たるみを解消してハリと弾力UP効果を得たい方に向いています。

ルメッカ

ルメッカもフォトフェイシャルと同じくIPLの光治療ができる機器です。
同じ光治療器ですが、ルメッカの波長の長さはステラM22より劣ります。
ルメッカはイスラエルのINVASIX社が開発と販売をしています。光治療器なので、ルメッカをフォトフェイシャルと謳っているクリニックがありますが、フォトフェイシャルはルミナス社だけです。
ルメッカは波長を調整して照射しますが、ステラM22はお悩みにあった波長のフィルターを使い分けるという違いがあります。
ルメッカとステラM22は効果としては大きな差はありませんが、扱っている機器がどこの製品なのか確認するようにしてください。

エステサロンで受けるフォトフェイシャルとの違い

エステサロンや美容サロンのフェイシャルで「フォトフェイシャル」という施術名を謳っているところがありますが、フォトフェイシャルではありません。
フォトフェイシャルはルミナス社から出ている医療機器のみのため、美容クリニックや皮膚科などの医療機関でしか導入できない機器です。
また施術をするのも看護師や医師など、医療資格を有している人しか行えない医療行為になります。
そのため、エステサロンでのフォトフェイシャルとは光美容のことで、光を使った施術です。
機器自体が違うので、照射する光のパワーや得られる効果はフォトフェイシャルとは異なります。

フォトフェイシャルについてよくある質問

痛みはありますか？

照射時はほんのり暖かさを感じ、部位によってはチクチクした感覚があります。
特に頬やあごなど皮膚が薄く脂肪が少ない部位は、違和感を感じることがあります。
ステラM22は肌に直接触れるヘッド部分に「コンタクトクーリング」機能が搭載されているため、直接冷却しながら照射して痛みを緩和した施術が受けられます。
麻酔を使用しなくても受けられるような施術です。

ダウンタイムはありますか？

ダウンタイムはほとんどありません。
施術直後は赤みや熱感がありますが、1～2時間で落ち着きます。
皮むけなども起こらないため、メイクができなかったり生活に支障をきたすようなことはありません。

どれくらいの頻度で受ければいいですか？

フォトフェイシャルは一度の施術でも効果を実感しやすいですが、より高い効果を得たい場合や維持したい場合は継続することを推奨しています。
約1か月おきに5～6回の施術を1クールとし、その後は肌の様子を見ながらや、特別なイベントの前などの受けるといいでしょう。

効果はどれくらい持続しますか？

フォトフェイシャルの持続効果については、アメリカメリーランド州、ジョン・ホプキンス医科大学皮膚科助教授のロバート.A.ワイスらの研究した論文で発表されています。
研究によるとフォトフェイシャルを受けた人の約83％の人が約4年後も効果を実感できていると証明されています。
効果を持続されるためには、施術を受けた後も紫外線対策や保湿ケアを継続することが大切です。

肝斑があってもフォトフェイシャルを受けられますか？

肝斑のみの治療ではフォトフェイシャルはおすすめできません。
肝斑は光治療では悪化させてしまう恐れがあるため、肝斑の状態を診察し、内服薬治療やほかの施術を推奨させていただきます。